【テニス】イップスから本気で抜け出したい!改善方法3選【永久保存版】

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・練習では打てるフォアハンドが、試合では振り切れない
・練習でも人が見ていると緊張して打てない
・1か100かのスイングになってしまったり、スピンをかけすぎてしまう
・ネット下段に突き刺さる or 当てるだけ or 場外ホームラン
・フォアハンドスライスに頼る
・ボールが右側(左利きは逆)に来るのが怖い
・技術的なことを考えすぎてしまう
・フォアハンドやサーブの感覚がない
・ボールのどこにラケットを当てていいかわからない

スポーツの世界では永遠の課題と言われている「イップス」

テニス中上級者以上にありがちな悩みですが、努力の方法さえ間違えなければ必ず根治できる症状なのです。

今回はこれまで100人以上のジュニアを育成してきた現役テニスコーチの僕が

◎そもそもイップスとは?
◎テニスにおけるイップス
◎わさおのイップス経験
◎イップスに陥りやすい人の特徴
◎フォアハンドのイップスから抜け出す方法

を紹介いたします。
僕自身もイップスになった経験があり、何万回も球を打ち続けて辿り着いた対処療法なので、「テニスのイップス」に悩んでいる方は是非読んでみてください。

そもそもイップスとは?

そもそもイップスってなんでしょうか?
「日本イップス協会」による定義によると

イップス(イップス症状)は心の葛藤(意識、無意識)により、筋肉や神経細胞、脳細胞にまで影響を及ぼす心理的症状です。スポーツ(野球、ゴルフ、卓球、テニス、サッカー、ダーツ、楽器等)の集中すべき場面で、プレッシャーにより極度に緊張を生じ、無意識に筋肉の硬化を起こし、思い通りのパフォーマンスを発揮できない症状をいいます。

日本イップス協会HPより引用

巷ではイップスが、「精神的な問題なのか、技術的な問題なのか」
そもそもはっきりしていないような気がしていましたが、あくまで一般的な認識としては、

・プレッシャー
・緊張
・不安

などのキーワードと語られることが多いですよね。

ただ、個人的には原因が精神的なものなのか、技術的なものなのか
については「人による」というのが答えであり、それぞれに合った原因に寄り添った対処が必要と言えそうです。

テニスにおけるイップス

一般的なテニスにおけるイップスとは、フォアハンド、サーブ、サーブのトスなどにおいて見受けられるようです。

その症状としては、

・練習では打てるフォアハンドが、試合では振り切れない
・練習でも人が見ていると緊張して打てない
・1か100かのスイングになってしまったり、スピンをかけすぎてしまう
・ネット下段に突き刺さる or 当てるだけ or 場外ホームラン
フォアハンドスライスに頼る
・ボールが右側(左利きは逆)に来るのが怖い
・技術的なことを考えすぎてしまう
・フォアハンドやサーブの感覚がない
・ボールのどこにラケットを当てていいかわからない

自身の経験や、周りからのヒアリングを含めるときりがありませんが、2021年に錦織選手も一時的な「イップス」を告白しておりました。
どうやらゴルフや野球において語られる「イップス」がテニスにおいても同様に、
プロ・アマレベル問わずどの層においても発生していることは間違いなさそうです。

わさおのイップス経験 きっかけと症状

例にもれず筆者であるわさおもフォアハンドイップス経験者です。
高校生の頃は強豪校だったこともあり全国選抜に出場する程度の実力でしたが、イップスを発症したのは大学生の頃でした。
重要なのは「今」完治しているかどうかですが、幸いなことに完治しております。
完治の定義も難しいのですが、精神・技術両面において対処することができるようになったという表現が正しいのかもしれません。

わさおがイップスに陥ったきっかけとして分析できる要素は3つあります。

①緊張しがちで神経質な性格
元々メンタルが弱い性格だったこと。
②一定期間の練習不足

毎日毎日練習に明け暮れていた中、留学により半年ほどラケットを握らなかったこと。
③フォーム改善の失敗

高校→大学と指導者が変わったときにフォームの矯正を求められたこと。

これらはあくまできっかけで、ここからドツボにはまってしまいました。

今まで10年以上打ち続けて武器だったフォアハンドが文字通り、「打てなくなった」のです。
強打するとホームラン、回転を掛けようとするとネット下段。
また失敗するんじゃないかという恐怖で振り切れなくなり、フォアスライスに頼る。
体が動いてくれば打てるのに、練習開始直後や、試合になるとボールが来るのすら怖くてその場から逃げ出したい。
こんな思いをされていないでしょうか?

イップスに陥りやすい人の特徴

イップスで悩んでいる人はあなただけではありません。
周りを見渡しても
「あの人のフォアハンドイップスぽいな…」
と謎の親近感を抱いた経験があるのはわさおだけではないはずです!

イップスになりやすい人には特徴があります。

<精神面>
まじめな人
メンタルが弱い人
気を遣ってしまう人
優しい人
プレッシャーがかかる場面で大失敗をしてしまった人(トラウマ)

<技術面>
グリップが厚い人
ベースの球がスピン系の人
腰高の人

これはつまり、になりやすい人、なってしまった人には個別の原因がありますが、ある程度の共通項もあるということです。

ここで精神面、技術面の2つに分けたのは、
私はイップスの原因は「精神的」なものだけではないと思っているからです。

フォアハンドの打ち方を忘れてしまった…

イップスだ…

そう思ってるそこのあなた!

あなたがこれまでのテニス人生で培ってきたフォアハンドの
「打ち方を忘れてしまった」
ということは

絶対にありません。

安心してください。
細かいことを抜きにして言うと、「元々の打ち方」は「体が覚えている」ということです。
緊張して打てなかったり、暴発したりするのは、「間違った打ち方」を「わざわざ練習してしまった」ということです。
これを改善するのは「元々の打ち方」も正しいと「思っていた」だけで完璧ではなかったと認めるべきです。

何が言いたいかというと、イップスの原因は精神的なものだけだはなく、技術的な側面も必ずあるということです。

なのでイップスの治療は「元の状態に戻す」のではなく「精神面、技術面を成長させる」という前向きなモチベーションにより行われるべきです。

フォアハンドのイップスから抜け出すために行ったこと

ここまで読んでくださっている方は本気でフォアのイップスを直したい人だと思います。
読んでくださっている方のテニスレベルに、ばらつきがあるのでお力になれるかは分かりませんが、(中級~上級想定)以下わさおが100通り以上の試行を行い、効果があったものを紹介します。

①自分のフォーム撮影→◎まずプレッシャーがかかっているときなど、イップスの症状が出やすい時の自分のフォームを撮影し、「発現条件」「症状」を明確にします。

例 発現条件→試合中
  症状→ラケットを上に振りすぎている
     手首が固まりすぎている
     打点がバラバラ

まずは現状を把握し、それに対しての対応を考えます。
ただこれを繰り返し見すぎると自分の嫌なイメージが映像として脳に記憶されてしまうので、2~3個症状を発見したら十分です。

イップスの技術的な原因は多くて3つです。
1つの原因が複数の症状を引き起こしているケースが非常に多いため「考えすぎ」は禁物です。

正しい技術を理解する→◎①ボールは加力しないと飛ばないことを理解する。②「ハンドアクセラレーション」③「ウエイトトランスファー」④「正しい打点」

①ボールは加力しないと飛ばないことを理解する。
これは個人的にかなり重要だと思います。
振り切れない=ボールがどれくらい飛ぶかわからないから加減が難しいわけです。
スピンをかけようにもどのくらい回転を掛ければいいかわからず、暴発したり、かす当たりに…

例えば
あなたのラケットがフライパンで、ボールがキッズ用の柔らかいボールだと想像しましょう。
あなたはフルスイングして、かつフライパンの真ん中にボールを当てて、ボールを飛ばすことに必死です。

例えばその状態でお互い試合をしたとしたら、イップスになりますか?
おそらくならないと思います。

あなたはボールを飛ばすことに必死で、ラケットをどこに引こうか、どうスイングしようか考えている余裕はないはずです。夢中でボールを追いかけ返す。インパクトの感覚に集中する。どうボールを返そうか考えて失敗しても考えて次の球でまた挑戦。

この状態が所謂「ゾーン」です。「ゾーン」に入る条件は「挑戦心」です。

イップスはヒトの「感覚」により調整する要素が多い技術で発生します。
飛ぶラケット、飛ぶガット、またはテンションを使用している方は特に要注意です。
飛ばしてくれる道具というのは調整が難しく、自分でコントロールする必要があります。

わさおはイップスを脱するために、一時的に薄ラケに変更し、ガットのテンションも5ポンドあげました。
結果…ラケットを「飛ばない」ものとして認識でき、
「スイング」しよう!
振り切ろう!
という精神状態になります。

ラケットを飛ばないものと認識し、振り切らざるを得ない状況を作ることも一つの選択肢です。

②「ハンドアクセラレーション」
現代テニスのストロークは「体の回転」と「体重移動」から成ります。
「体の回転」が速くなると「スイングスピード」が速くなります。=ボールの速度も上がる。
ボールの速度が上がるとアウトが増えるので、そこで登場するのが「スピン」という技術です。
「スイングスピード」ではなく「スイングベクトル」を上にすることで、しっかり振ってもアウトしない(自分で調整をする必要がない)スイングが完成するわけです。

この正しいスイングを実践するためにとてもおすすめの練習があります。
その魔法の練習は…

グリップを短くもつことです。

周りからはふざけているかと思われるかもしれませんが、スイングスピードとラケット操作性(打球時の感覚)を両立させる立派な練習の一つです。

まずボールとラケットの接地時間はほんと0.3秒。
そもそもその瞬間を修正しようというのが無茶な話なのです。
とにかくしなやかに脱力して、球を「スイング」の中で捉える。
そのためには肩、肘、手首を脱力し「鞭」のように腕を使います。スピンは「手首」かけるものです。

ですが「手首を固定して打て!」「ラケットはなるべく長く持て!」などの指導により、本来腕という鞭の中で一番稼働すべき手首の自由を奪われている人が散見されます。

手首を開放する、もしくは手首でスピンをかける感覚を身につけるためにもラケットを短く持ってしっかりとしたラケット操作で回転をかける練習はかなり有効です。
※短すぎても操作が効きすぎるので、いろんなところを持ってみるのをおすすめします。
※感覚を身につける、思い出す練習なので身についたら戻しても構いません。

つまり「体の回転」=「ハンドアクセラレーション(手の加速)」であり、腕の末端である手首にはしっかりと仕事をしてもらおうということです。

手の加速なしに
途中でスイングを止めたりしていませんか?

「ハンドアクセラレーション」=ボールにしっかりスピンがかかり安定する

③「ウエイトトランスファー」
続いて「ウエイトトランスファー」=「体重移動」です。
「体の回転」によって体の末端で起こる「ハンドアクセラレーション」は、ボールの回転と安定感を生みます。
しかし「ハンドアクセラレーション」のみだと最適な打点で打つことが難しいのです。
回り込みのフォアハンドは自分に対してボールが近づいてくるため、体の回転のみで打ちやすいはずです。そこに体重移動の要素が加わるとさらに力強いボールが生まれます。
しかし順クロス、自分から離れていくボールを打ち返すためにはその場で体を回転させるだけでは、そもそも届きませんよね。

よってどのようなボールをフォアハンドで打つ場合であれ、「体重移動」は不可欠な要素なのです。

極端な例を出すと、あなたの後ろから手出しされたボールは、あなたから離れていきます
このボールを体重移動なしで体の回転のみで打つことができるでしょうか?

ボールがラケットに追い付かず、適切な打点で打つことができないと思います。
あなたはきっと、足で追いついて、後ろ足→前足の体重移動でボールを前に飛ばすはずです。

ボールを「待って」、後ろ足体重でばかり打っている人がイップスになりやすいのも、ここに原因があります。

「ウエイトトランスファー」=ボールの推進力を生みだす

④「正しい打点」
「正しい打点」とはどこでしょうか。
これは人により、グリップにより、効き目により異なるため一概には言えません。

まず、あなたの本来の正しい打点を把握するためには、ラケットを持って、ラケットを地面と垂直の位置にセットします。
そして他の人に加力してもらうなり、壁に押し付けるなりして、自分の一番力の入る打点を探します。

そこがあなたのフォアハンドの正しい打点です。
(この時点でまず、自分がイップスに陥っているときに撮影したフォームの打点と見比べてみてください。力の入らない打点で打っていたら改善する必要があります。)

ここでもう一つ気が付くのは、
グリップが薄ければ薄いほど、打点は後ろ(体の横)に近づき、肘は伸び、手首は掌屈(手のひら側に折れる)
グリップが厚ければ厚いほど、打点は前(体の前)になり、肘は曲がり、手首は背屈(手の甲側に折れる)
ということです。

グリップによって打点が異なるということは、フォームも異なるということです。

グリップとフォームがミスマッチを起こしているとするならば、
フォームを今のグリップに調整するか。
今のフォームにグリップを調整するか。
いずれかのアプローチで改善すべきだと言えます。

「正しい打点」=グリップにより異なる

なぜ
・バックハンド
・ボレー
・スライス(フォアバック)
などの技術はイップスになりにくいのでしょうか。

バックハンド
→スクエアスタンスで打つため体重移動がしやすい(手打ちになりにくい)から
スライス、ボレー
→ボールを待てば待つほど厚く当たるから(野球で言うと投球ではなく捕球)

技術面だけで考えるとこんなところでしょうか。

実はフォアハンドは自由度が高いがゆえに
体重移動しなくても、正しい打点でなくとも、ある程度打ててしまうことがイップスになりやすい要因だと考えています。
技術的に改善した方が良いことはは多くて3つです!
それが複合化したり、他のところにも影響し、最終的に精神的な部分にまで影響を及ぼしている状態こそが、「イップス」の正体なのです。

まとめると…

正しいフォアハンド=イップスになりにくいフォアハンドとは①体の回転によって生み出される「ハンドアクセラレーション」=回転と安定②ボールの推進力となる「ウエイトトランスファー」=前への推進力③ボールに加力するための「正しい打点」

3つの要素に支えられた技術なのです。

意識の無意識化→◎試合中は「挑戦すること」だけを考える練習中はとにかく技術の「刷り込み」を行う

あなたは試合中何を考えていますか。
イップスに陥りがちの人の特徴として、「考えすぎ」が挙げられます。

派手にミスした…
なんでカス当たり(ホームラン)なんだ!
振り切ることが大事!でも振り切れない。
なんか入る気がしない…もっと打点を前に…
どうしよう…次のポイント…(アッ、サーブキチャッタ)

この時のあなたはまさに「考えすぎ」です。
でも、考えすぎる気持ちもよーくわかります。

あなたは
完璧主義で、
プライドが高く、
人前で失敗することにひどい恐怖感があるのです。

試合中のあなたのメンタリティは「不安」「恐怖」場合によっては「怒り」「諦め」かもしれません。

この状態、実は「ゾーン」からは対極にある状態なんですね。

某テニス漫画「テニスの王○様」にも「無我の境地」という言葉があります。

試合中のメンタリティとして一番適切なのは「挑戦」です。
学生のあなたはテスト中は目の前の課題に「挑戦」
社会人のあなたは仕事中に目の前の課題に「挑戦」していますよね?

そしてその前向きな挑戦に成果が表れたとき、「達成感」を感じませんか?
オリンピックのメンタルトレーナー曰く
「人は目標を達成した時に幸福を感じる」
という共通点があるそうです。

時に失敗することもあるでしょう。
でもイップスを乗り越えた先には、素晴らしいテニス人生が待っていると思いませんか。

試合中に「挑戦」メンタリティになるためには何も考えないことです。
考えるにしても1つ、「足」「気持ち」「低く」
目の前の課題に取り組んで達成できればOKなのです。

そして練習中はとにかく反復です。技術の再現性を高めることにフルフォーカスすべきです。
試合中何も考えなくてよくなるくらい、正しいフォアハンドを反復試行して、脳に、体に刷り込ませてください。

これが「意識の無意識化」です。
そもそも試合中に本来不随意的に行われる運動を、意識でなんとかしようというのが無理な話なのです。

ショットや、試合の結果はコントロールできません。
試合中は「今日の夕飯どうするか」をひたすら考えるくらいがちょうどいいのです。
相手だって人間で、何年もテニスをやっているんです。勝ったり負けたりするのが当たり前。
あなたがコントロールできる「過程」に注力し、挑戦し、達成感を得る。
そんなテニス人生の方が幸せだと思いませんか?

4スタンス理論の理解→○相関性がない例もあり、診断ミスや鵜呑みは禁物

正しい体の動かし方を理解するために、4スタンス理論について一通り学びました。
A1,A2,B1,B2と自分の軸と重心を診断

同じタイプのプロ選手のフォームを参考に自分のフォームを比較

課題の抽出

練習

という風に行いましたが、必ずしも相関性が見受けられないケースがあったり、一般プレーヤーでは自分の診断難しいという判断もあり、必ずイップスが改善するかどうかは、使い方次第かなという感じです。

個人的にはフェデラー選手、ナダル選手、ジョコビッチ選手、マレー選手のBIG4が、それぞれ異なるタイプのようで、

わさおのタイプ=A2
…ナダル選手

というようにゲームのチュートリアルでキャラクター選択するみたいな面白さがありました。
書籍がかなり分かりやすく、詳しく書いてありますので、4スタンス理論を学んだことがない方は一度読んでみることをお勧めします。

まとめ

今回はテニスプレーヤーにありがちなイップスについて、独自の見解から本記事を執筆しました。
他にもテニス情報を多数掲載予定ですので関連記事も是非チェックしてみてください!

わさお

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